アップヒーバルがディフェンダーやスリル中にどのような威力計算になるのかを検証してみます。
戦士のIDのスキル回しの記事を書いている最中にふと検証していないことに気づき、このままでは計算が出来ない……と思ったので急遽検証することにしました。

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はじめに

※楽勝な計算かと思ったら全然簡単じゃなく、ちょっと長くなったので結果だけ知りたい方は結論のページだけ見て下さい!


タップ/クリックで結論の項目へジャンプします。


アップヒーバルは説明文の通り、最大HPを上昇させる効果により威力が変化するという特性があります。
戦士個人が持つ最大HPを変化させるアビリティには、ディフェンダースリル・オブ・バトルの2つがあり、これらを使った場合の威力変化がどれくらいなのかを検証してみます。

なお、今回検証に使用したキャラクターのステータスは以下のようになります。

STR2391
意思力1351
不屈892
スキルスピード1003
クリティカル2298
ダイレクトヒット744

このステータスによる、クリティカルもダイレクトヒットも発生しない威力100の攻撃は、計算上平均1466ダメージとなります。



検証


デスト、デスト+スリル、ディフェンダー、ディフェンダー+スリルの4つの状態で木人にアップヒーバルを、クリティカルやダイレクトヒットが発生しないデータが20個ずつ取れるまで殴り続けます。

その結果、ダメージは以下のようになりました。


- 平均  威力換算  最低  最高 
デスト 4650.3 317.144064830
 デスト+スリル 5512.8376.052765810
 ディフェ 6562.7447.662896890
 ディフェ+スリル 7648.3521.672928018


まずデスト状態ですが、おそらく威力300(基礎威力300×デスト補正5%で実質威力315)で間違いないと思います。
威力300の攻撃に5%バフがかかった場合、取り得る値は4388~4849で、データの幅にも不自然な点は見受けられません。

次にデスト+スリルですが、これも単純にスリルで最大HPが2割上昇しているので威力が2割あがっている(威力300×デスト5%×スリル20%で実質威力378)と見て間違いないでしょう。同じ理屈でこの仮定におけるダメージの取り得る値は5265~5820です、反しているデータは観測できません。


問題はディフェンダー時です。

単純に考えるならばHPが25%上がっているので威力が25%増えるかといったらそうではないです。(仮に威力が25%増える場合、威力300×1.25×0.8で威力300のままです)
ディフェンダー時は与ダメージが20%低下するペナルティが存在しています。ゆえに実質的な威力は559.4もあり、ディフェンダーのHP上昇だけで威力が86.5%ほどあがることになります

ぱっと見て、この割合を綺麗に算出する式が出てきません。

まず最初に思ったのは、4.0実装時のアップヒーバルには「このダメージはディフェンダーの与ダメージ低下ペナルティを無視する」の記述があったことです。実際はアンチェインドが効くので不具合としてこの一文は削除されました。
しかしながら、記述が間違っていたのではなく、アンチェインドが効いてしまう方が不具合であったとすれば……?この不具合を修正すると当時弱かった戦士がさらに弱くなってしまうので、内部威力を調整した上でディフェンダーの与ダメージ低下ペナルティが効くようにしたのでは?

そう仮定すると、ディフェンダーによる威力上昇量は49.1%となります。ほぼ50%ですね。
つまり昔はディフェンダー時の基礎威力450で与ダメージペナルティを無視する形だったのが、威力を1.25倍に上げて威力562に調整し、その上でディフェンダーのペナルティを乗せたと考えられます。
これで綺麗な計算式になりました!


と思ったのですが、ここで新たな問題が発生しました。

ディフェスリルの計算式がおかしいのです。
スリルを使用した場合、デストの例から行くと攻撃力が20%上昇します。
ディフェスリルの場合、計測値で調べると攻撃力が約16%上昇することになります。ディフェンダーの与ダメージペナルティが20%なので0.2×0.8だから16%になるのは当然だな、とバカな私は納得しかけましたが、ここも20%でなければおかしいです。スリル上昇分にディフェンダーの与ダメージペナルティがもう一度かかり、2重で計算されていることになります。

たまたま低い乱数を引き続けたことによる計測誤差か?と思いましたが計算し直してみると誤差ではないです。
ディフェンダーのみの状態のアップヒーバルのダメージ計測値は6289~6890です。
これを取り得る威力値の存在範囲は、威力448~威力450です。威力447以下では6890ダメージは出ず、威力451以上では6289ダメージはでないからです。

次にディフェンダー+スリルの計測値ですが、これは7292~8018となります。
一応小数点以下の計算も含まれると仮定して、威力447と威力451の2つで計算してみます。
威力447の場合:真の補正値は16.5%~17.2%の間
威力451の場合:真の補正値は15.5%~16.1%の間
従って、ディフェ+スリルによる上昇補正値の真の値は少なくとも15.5%~17.2%の間に存在するので、20%の値を取ることはありえません。
おそらく16%であると推定されます。(威力450の場合、推定存在区間は15.7%~16.4%)
ちなみに同じ理屈でデスト時の測定値から計算すると、デスト時の上昇量が16%を取ることもありえません。つまり、ディフェンダー時限定の処理です。


しかしスリル補正値に2重にディフェンダーの減衰をかけてくることは考えづらいです。
少し考えたところ、前述した『アップヒーバルのダメージは以前内部的にはディフェンダーの与ダメージペナルティを無視していたが、修正されたことがある』という事にたどり着きます。


つまり以下の仮説を立てることができます。

1. ディフェンダーにより上昇する威力値は50%でアップヒーバルは基礎威力450となる。このダメージはアンチェインドがなくとも与ダメージ低下ペナルティを無視する。

2. この状態でスリル・オブ・バトルを使用すると威力が20%上昇するが、この部分はディフェンダーの与ダメージペナルティが効いてしまうので威力が16%上昇することになる

3. この状態でアンチェインドを使うと、与ダメージペナルティを無視する効果ではなく、アップヒーバルの総ダメージ(1と2を合計したダメージ)が25%上昇するバフとして扱われる。

このような内部処理になっているのではないでしょうか……?
もちろん単純にスリルを使用した場合、デストなら20%、ディフェンダーなら16%の補正がかかることになっている仕様である。というのは否めませんが……。


ひとまず、これらの仮説に説得力を持たせるため、ディフェ+アンチェ、ディフェ+アンチェ+スリルの2パターンでダイレクトやクリティカルが発生しない値が20回出るまで叩きます。

結果は以下のようになりました。

- 平均  威力換算  最低  最高 
 ディフェ+アンチェ 8228.6 561.278358639
 全乗せ9589.8654.091749911

ヒーバルがペナ無視威力450として、アンチェが25%のバフであると仮定すると、計算上のダメージの推定存在区間は7829~8654となり、計測値に矛盾はありません。

また、ヒーバルがペナ無視威力450、アンチェが25%、スリルが16%それぞれ上昇するバフであると仮定すると、計算上のダメージの推定存在区間は9082~10039となり、計測値に矛盾はありません。ちなみにスリルの補正値を20%で計算すると下限が9404となり、観測値と矛盾します。

つまり、以下の結論を導き出せます。


結論


アップヒーバルの威力は以下のように変動する。

■デストロイヤー時
基礎威力300、スリル・オブ・バトルがかかっていれば威力が20%上昇する。(デスト時のスタンス効果で威力が追加で5%あがる)

■ディフェンダー時
基礎威力450(アンチェ無しでディフェンダーの与ダメージ低下ペナルティ無視)、スリル・オブ・バトルがかかっていれば威力が16%上昇し、アンチェインドがかかっていれば威力が25%上昇する。

以下のようになります。ディフェンダー時は基礎威力562で与ダメ低下あり、アンチェでそれを無視とも言えます。今回の観測データでは正確にどちらかはわかりません。

なお、威力値を並べると以下のようになります。わかりやすいように、すべてデスト時の威力換算で並べます。(ディフェンダーの威力が450でないのは、デスト時に攻撃力が5%あがるからです。450/1.05=429)



デストのみ(威力300)
デスト+スリル(威力360)
ディフェのみ(威力429)
ディフェ+スリル(威力497)
ディフェ+スリル+アンチェ(威力621)



なお、すべてHPが100%である場合です。
HPが100%でない場合の威力計算は、近日中にまた検証して記事化します。


【追記】

今までずっとなぜディフェスリルが16%なのか……と思っていたのですが、コメントで素晴らしい意見を頂いてこれなら全て理屈が通るので追記させて頂きます、ありがとうございます!

私の仮説は少し解釈が異なっていてディフェンダー時に威力が下降しないように見えるのは、最大HP25%上昇効果で25%威力が上がっているところを与ダメージ減少ペナルティが打ち消しているからです。
つまり、きちんと与ダメージ減少ペナルティは存在します。

正確なディフェンダー時アップヒーバルの仕様は以下であると推定されます。

・基礎威力は450
・ディフェンダー時のHP25%上昇効果で威力が25%上昇する
・スリル・オブ・バトルのHP20%上昇効果で威力が20%上昇する
・最終ダメージに0.8倍のディフェンダーペナルティが発生するが、これをアンチェインドで無視できる


威力値などは変化ありませんが、以下の理屈でスリルの効果が見かけ上16%に見えていたということになります。

(1.25+0.2)×0.8=1.16